結論:支援が必要な子どもの日常生活援助と家族の身近な相談相手
今回は、小児訪問看護の仕事内容と魅力をお伝えします。

突然ですが、あなたは訪問看護にどんなイメージを持っていますか?
訪問看護のイメージ
- 経験豊かなベテランがやる
- 夜勤がないから給料低い
- 相談できる人がいなくて一人で責任を持って訪問する
- 一人で訪問するとか、なんかちょっと怖い、難しそう
そんなイメージが多いようです。
実際訪問看護に興味がある人と、実際にやってみたい人に大きな乖離があることが知られています。
わたしは病院を退職して、日勤のみで助産師の仕事内容も生かせる職場がないか探しているとき、
転職サイトの方から小児専門の訪問看護を紹介していただきました。
最初は上記のアンケートのように、



・小児専門とはいえ、訪問看護はちょっと怖い。
・小児病棟を経験したわけではないわたしが一人で訪問できるのだろうか?
・他人の家にいくんでしょ?勇気出ないな…。
と自分がうまく働けるイメージができませんでした。
しかし、エイっと小児の訪問看護を始めてみると、
大変働きやすく、魅力的な仕事だと分かりました。
どんな仕事をするのか、簡単にご紹介します。
小児訪問看護の勤務のあれこれ、給与
基本的な小児訪問看護の概要
医療ケアのあるお子さんや、ご家族に療養への不安がある場合など、
訪問理由は様々ですが、医療機関から発行される医師の指示書を元に訪問します。
訪問時間は30〜90分/件で、医療ケアのあるお子さんなどは120分までのことがあります。
在宅レスパイトを併用するときは、追加で2時間ほど長くなることがあります。
勤務時間・残業
小児訪問看護は、基本的に平日のデイタイム勤務で、夜勤はありません。
(ステーションによってはオンコール体制があります。)


勤務形態は、週5日8時間勤務の常勤と、それ以外の非常勤があります。
勤務時間は、9〜18時か10〜19時が多いです。
これは、小学生以上の利用者さんたちの訪問時間が、学校や学童から帰宅する夕方〜夜になるためです。
一件の時間が決められているため、残業はゼロか、あっても少ないです。
訪問件数・移動手段
わたしが勤めるステーションでは、
都区内を公共交通機関と徒歩で移動するため、1日3〜4件訪問します。
社用スマホを貸与され、記録はその中で完結するので直行直帰が基本です。
狭い区域を自転車で移動するステーションは、移動時間が短いためもっと件数が多くなります。
交通の便によっては、車で移動するステーションもあります。
記録の方法
記録は先ほども説明したように
社用スマホで電子カルテにアクセスし、記入します。
提出物は毎回の訪問の記録や、看護計画書、月次報告書などがあります。
空き時間や、移動中の電車内で記録します。
ステーションによっては事務所の端末で記録します。
持ち物
ステーションによって持ち物は様々ですが、
わたしのステーションでは訪問で使用するエプロンや聴診器は
感染対策上、ご自宅に置かせていただいているため、
看護師の持ち物は手洗い時に使用するハンカチ、マスク・ゴーグルくらいです。
特にハンカチは、交差しないように訪問の件数分用意します。
医療物品も十分な数を処方していただいており、
看護師が何か医療的なものを持ち歩くことは少ないです。
休憩時間
昼休みは一人で1時間ゆっくり休めます。
訪問の間が微妙なときは、他に数十分空き時間になることがあります。
病院で働くと、実は1時間休めないですよね。
先輩のグチを聞いて気持ちが休まらないことも・・。
その心配は無用です!
ただし、お弁当を持ち歩けないので、外食が基本となります。
給与の目安
給与は、日勤だけの勤務にしては高いです。
ざっくりですが、都内総合病院では助産師5年目夜勤ありで諸手当込み手取り35〜40万円/月あたりと仮定すると、その病院で、日勤のみでは25万円/月程度になります。(経験則)
訪問看護は日勤のみで28〜35万円/月は稼げます。
会社によっては基本給28万円+歩合などがあり、頑張りがすぐ給与に反映するしくみもあります。
相談、連絡体制
相談は、社用スマホで連絡します。
急用は通話で上司に、時間をあけられるとき/専門性をじっくり相談したいときはメッセージや通話で相談します。
仕事内容
さきほど書きましたが、訪問看護は
医療ケアのあるお子さんや、低出生体重児で生まれて退院後も体調や生活に不安がある場合、
発達障害や生活リズムに問題がある場合、ご家族に育児不安がある場合など、理由はさまざまですが
医師の指示書をもとに訪問を行ないます。
一回の指示期間は1〜6ヶ月と、病院では考えられないような長さです。
医療デバイスは胃管、胃ろう、気管切開、呼吸器、腹膜透析など。
ケアは、バイタルサイン測定、ミルクや注入、浣腸などの排便コントロール、入浴、与薬
家族のお話を聞き、療養環境の助言をすることが主な業務です。
ADLは寝たきりの子ばかりでなく、歩き回っている子もたくさんいます。
求められる力



小児の訪問看護をするにはどんな知識が必要なの?
小児の訪問看護では、赤ちゃんから小中学生、場合によっては高校生も診ていくことがあるため、
新生児や小児科の知識があると役立ちます。
それだけではなく、生活の場におじゃましていく立場になるため、
継続して家族と関わっていき、信頼関係を獲得していく心がまえが必要です。
看護師として指導することもあれば、家族に指導(質問という形が多い)されることもあります。
それを受け入れて誠実に対応することが大事です。
病院とも変わらない部分かもしれませんが、
誠実な対応、信頼関係構築のための勉強も仕事のうちです。
まとめ
今回は小児訪問看護とはなんぞや、にお答えしていきました。
簡単にでもイメージできると幸いです。
小児訪問看護、まず勤務面で推せます。
機会があればさらに内容を深めて、やりがいにつながる
いいところ、難しいところをご紹介したいと思います。
あなたのキャリアの参考になりますように。

