小児訪問看護のいいところ、難しいところ

いいところ:看護ケアを通して子どもたちの成長に寄与している実感が持てる
難しいところ:目標を自分で設定して求めていくこと

前回こちらの投稿では、小児訪問看護とはなんぞやを簡単に説明しました。

今回は、小児訪問看護のやりがいにつながる、看護師として働く上でのいいところと難しいところをお話しします。

もくじ

小児訪問看護のいいところ

1:対象者の療養環境の一員となっている実感が持てる

病院で勤務していると、短い入院期間に点で関わることになりますが、訪問看護でだいたい週1〜3回、長期にわたって関わると利用者であるお子さんが成長している姿を間近で見ることができます

スプーンを持つのが上手になった、食べ物を集めるのが上手になった、ペースト以外の食べ物も好むようになった・・本人だけでなく、家族とも信頼関係を構築し、お子さんの成長を一緒に実感できるのも醍醐味です。

色々な家庭と関わることで、自分の家族観が広がる効果もあります。

2:医療や福祉の制度関係に強くなる

訪問看護で働くまでは、医療を取り巻く制度や手当を知る場面が少なかったですが、訪問看護では、イヤでも制度に触れる機会があります。

週3回訪問できる人、長時間訪問できる人、特別支援の施設など、それぞれが制度によって決められています。

訪問看護だけやっていることもできますが、その周りを取り巻く制度関係も把握することで、対象者の置かれている状況と課題がわかるようになります。

最初はニガテだなと思っていましたが、一度学んで理解できるようになると全体像が把握できるので仕事も楽しくなります

3:自分のペースで仕事ができる

小児訪問看護というよりは訪問看護の特徴になりますが、現場では自分のペースで仕事をすることができます

病棟勤務では、検査室や手術室、医師の診察、患者、ペア看護師の都合でケアを組み立て、ずれ込んだらその都度調整します。

訪問看護では、状況を把握したらたいていは自分のやりたい順序で仕事ができます

今日は◯時にミルクを飲んだから何時にお風呂にして、その後気管切開のバンド交換をして・・などと、自分でケアを組み立て、周囲からあまり影響を受けず、対象一人に対して集中して仕事ができます。

多重業務に追われる日々に疲れた人にはおすすめです。

4:時短や非常勤であってもまったく負い目がない

関連記事でも書きましたが、訪問看護は働きかたを自分の都合に合わせても他のスタッフに対して負い目がありません。

病棟勤務していたとき、残業可・夜勤ができるスタッフと日勤のみ・時短のスタッフでは、業務や役割が異なることから、どうしても話せる内容に差が生まれていました。

私自身も日勤・時短勤務の経験があり、自分に必要だからと開き直っていたつもりでしたが、残った仕事を預ける日々を過ごすと、他のスタッフに若干の負い目を感じていました

訪問看護では、数時間の勤務でも、一件一件を責任を持って行えているならば、時短でも誰も気にしません

訪問看護の性質が大きな理由であり、病院が悪いと言いたいのではありませんが、働き方を柔軟にしても職場で負い目がないのは、心理的な働きやすさがあると思います。

子どもの成長を身近に感じられる現場

小児訪問看護の難しいところ

1:子どもとご家族の双方と関係性を築いていく必要がある

小児看護全般に言えることですが、自分の症状を伝えられない対象者にケアを提供する難しさはあります。

病気の子どもを持つ家族の不安定な精神状態に対応する難しさもあります。

でもそんなに堅苦しく考えず、心配なことがあれば上司に相談すれば良いです。

あとは訪問看護の特性として、それぞれのお宅の流儀を第一に考え、関係性を築いていく必要があります

仕事場ではなく生活の場なので、清潔や食事など、看護師としてどうしても指導しなければならないこと以外は様子見する、見守るという心がまえが必要になります。

2:自分でケアを組み立て、時間内である程度完結させる必要がある

いいところ3と裏返しになりますが、自分でケアを組み立て、時間内である程度完結させる必要があります。

利用者によってケアの内容、ケアの数は異なりますが、ある程度完結させ、時間が足りない時は家族に相談・報告します。

3:他のスタッフとの相談、連携を自発的に行う必要がある

訪問看護は一人で移動して、一人でケアを提供するため、他のスタッフの様子を見て自分のケアに生かしたり、ちょっとしたことを相談したりするのが難しい場合があります。

そんな時、目的意識を持って自発的に相談しなければなりません

この子の摂食はどのように進めるのがいいのだろう?
遊びが一辺倒になるけど発達にかなった遊びかたはないだろうか?

わたしの所属している訪問看護ステーションには、看護師だけでなく、理学療法士や作業療法士、言語聴覚士が在籍しているため、職種を問わず、積極的に相談しています。

まとめ

今回は小児訪問看護のやりがいにつながるいいところ、難しいところをお伝えしました。

いいところと難しいところは裏返しの内容もありましたが、子どもたちの健康・生活に関わり、成長を実感できる小児訪問看護は看護職としてのやりがいに溢れています。

ぜひ、転職先の候補として検討してみてください。

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