結論:あなたは異変に強い助産師になれます。
学生時代のつらい実習に耐え、やっとの思いで助産師の資格を取得し、希望に燃えています。
どんな助産師になろう?
どんな赤ちゃんに会えるだろう?
病院に就職し、入社式で名簿を眺めます。
産科、の欄に名前がない…!
どういうことだろう?!
確かに、就活の面接で『産科配属ならないこともあります』と言っていたけど、
本当にわたしがなるとは思ってなかった…。
うわ、まじかー。ショック…。助産師やりたいのに…。
病院ってわたしの人生設計を舐めてる?!
これはわたしの例です。
もしかしたらあなたにも当てはまるかもしれません。
世間では地味そうに見えますが、結構ショックな出来事ですよね。
いまこの記事を読んでいるあなたも、同じような気持ちかもしれません。
でも、大丈夫です。
あなたは、これから“異常、異変“に強い助産師になる力を秘めています。
(わたしの場合を#割愛する)
わたしは新生児病棟に配属後、予想外の配属のショックの中、
新人時代を過ごし、文字通り四苦八苦します。
新しい環境に慣れるまで肩の力が入りっぱなしになってしまうわたしは、
考えてもみなかった勉強を新しい環境で始めるとストレスは大きかったです。
病気がみえるでも、国試でも、新生児の欄のページは少なく、
新生児看護の楽しさを知るまでには時間がかかりました。
1年目の秋まで、笑顔を忘れていたほどです・・。
ストレス性胃炎になって胃カメラを飲んだり、
ひどい胃腸炎になって職場の外来で点滴を受けたり、
それはひどい健康状態でした。
健康だいじ!
なんとか生き延び、仕事に体が慣れ、リーダー業務し、新人教育を2年行ない、
新生児看護って魅力的、やりがいがあると感じていましたが、
やっぱり助産師として助産師らしいことをしたい、と異動させてもらいます。
異動先の産科では、たくさんの後輩が自分より業務をこなしています。
わたしは新人、と言い聞かせて毎日迫り来る新しい状況に必死にくらいつきました。
残業は多くないはずなのに、精神的に疲弊し、自宅勉強は30分しかとれなかったです。
なにより、自己肯定感が地に落ちていました。
でもあるとき、
- 赤ちゃんの異常をうまくアセスメントできていない助産師がいて、
- 保育器の中でポジショニングがうまくいかなくて泣き続けている子がいて、
- 合併症のある患者さんの体調不良が理解できていない助産師がいて…
え、わたし分かるよ!
と咄嗟に思いました。
回り道して産科に来てよかった、と初めて思えた瞬間でした。
いま産科以外の配属になり、つらい思いをしているあなた。
たとえばあなたの配属科で学んだことは、産科では次のように生かされます。
- 新生児科 赤ちゃんの異常がわかる、心臓・腎臓・肝臓などの悪化時の全体像がわかる&対応できる
- 内科系(婦人科) 内科系疾患の治療やケア、ADLに問題のある成人の対応がわかる&対応できる
- 外科系 外科系疾患の既往や帝王切開時の対応がわかる&対応できる
- ICU系 重い合併症のある患者さんの周産期の管理、緊急時の対応がわかる&対応できる
産科領域では正常、異常ともに膨大な知識と経験が求められますが、
別の視点から見ると、出産できるベースの健康があり、
ADLに問題がない人がほとんどの、似た特性の対象者が集まっているとも言えます。
よって、産科から新卒で配属になると、特に異常関連で、経験できないことがたくさんあります。
妊娠・出産・産褥は、体の中でダイナミックな変化がもたらされます。
そのとき、どんな異常も起きる可能性があり、ましてや既往がある方はその部分から悪くなりやすいです。
産科配属となり、助産師としてキャリアを積み始めると、
3〜5年くらいは集中して勤務しないと、一人前と認められません。
(もちろん他の領域でも一人前になるには3年はかかりますが)
よって、数年は異動する機会はないと思います。
他の領域で経験を積んだという引き出しが多いほど、
緊急時や異常時に対応できる厚さが変わってくるのです。
産科に配属されたとき下記のように助言してくれた先輩がいました。
大丈夫、半年もすれば手技自体は追いつける。
でもそれ以上になるには自己研鑽が必要。
たしかにその通りで、意外と手技自体はなんとかなります。
しかし、手技より知識や経験が求められる段階が必ず来ます。
その時、あなたの回り道は必ず生かされます。
不本意かもしれない配属であるのは間違いないです。
しかし、
このピンチをチャンスに変えるのは、あなたの底力の見せ所です。